アニエスベーについて
アニエスベーを一言でファッションブランドと言ってしまうことが出来ないほど多方面に事業展開をしています。アニエスベーはレディースからメンズ、キッズ、雑貨やコスメティック、更にギャラリーやアートライブラリー、映画製作会社も運営している企業です。アニエスベーは世界に１２の支社を持ち、２００店舗を展開していますが、実に半分以上が日本にあります。本国フランスでも３０店舗、アメリカにはたった６店舗しかありません。如何に日本人がフランスのブランドが好きかが分かると言うものです。
日本での販売は、以前はサザビーがフランス、Ｃ.Ｍ.Ｃ. Ｓ.Ａ.と合弁で株式会社アニエスベーサンライズが行なっていましたが、２００５年には契約が切れて株式会社アニエスベーサンライズはＣ.Ｍ.Ｃ. Ｓ.Ａ.の完全子会社になっています。
アニエスベーのデザインは、いわゆるモダンポップカルチャー志向のブランドと言った感じで、他の高級ブランドとはちょっとイメージが違います。創設者のアニエス・ベーが美術館のキュレーターを目指していただけあって、どことなくモダンアートの雰囲気が有ります。
彼女の経歴はどちらかと言うとアートディレクターっぽい感じで、雑誌のＥＬＬＥでキッズのファッション担当からスタイリスト、デザイナーになったわけで、ガチガチのデザイナー志向ではありませんでした。ですからファッションだけに止まらず、レディースからメンズ、キッズ、雑貨とあらゆるライフシーンのデザインを手掛けているわけで、アニエスベーに関して言えば、至極自然な流れのように思えます。
ライフステージでアートデザインを行うには、手っ取り早い手法としては、ファッションになるわけで、それがビジネス的に上手くいけば次から次えと、デザインの対象は広がりますから、ファッションデザイナーとしてよりアートディレクターとしてデザインを創出しているのがアニエスベーと言えるのではないでしょうか。
最新のアニエスベーのデザインを見るにつけ、１９７０年代のリバイバルデザインを髣髴とさせるものが多いですが、意外とアニエスベー特有の軽さがあって、１９７０年代のデザインを模しながらも、やっぱりアニエスベーだと思わせる手腕には、恐れ入ります。
アニエスベーは基本的にはモノトーンデザインのシンプルさが身上ですが、ここ何年かは、一変して艶やかな色合いのアイテムが多かったですが、また徐々に昔のアニエスベーに回帰しているように見えます。